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2010年 08月 08日
毎年7月にACCは、島根県美郷町立邑智中学校で平和学習のワークショップを行っています。6回目になる今年もまた、7月7日に邑智中学校の「いのちのかがやき集会」で、ACCの平和学習が開かれました。 今年は、昨年のテーマだったボスニア・ヘルツェゴビナの中にあるセルビア人共和国の小さな村、ルドに邑智の皆さんのワークショップ作品を届けた時の報告をしたうえで、今回はセルビア共和国のスメデレボ市郊外にあるオーラ難民センターの話をしました。オーラ難民センターは現在ヨーロッパ最大の難民センターで、コソボ難民を中心に今も500人の人々が暮らしています。ユーゴ紛争終結から15年、コソボ紛争からは11年の歳月が流れても、戦争の遺した傷痕は長く続きます。オーラでも、難民センターで生まれ育ち、他の世界を知らない子どもたちがたくさんいるのです。 今年のワークショップでは、このオーラ難民センターの子どもたちへの絵手紙作品を作ることになりました。絵手紙は大きな白い布地に、「たいせつな友だちに贈る言葉」とその言葉をイメージした絵が描かれます。最初は「何を書いたらいいのかな」と迷いも見せていた邑智の生徒達でしたが、徐々に気持ちがほぐれ、思いのままに様々な言葉を墨と筆で書いてくれました。「夢」、「友情」、「友達」、「明日」、「平和」、「愛」、「努力」、「勇気」、「笑顔」等々です。オーラの子どもたちには来年届くことになりますが、きっと大きな喜びで迎えられることと思います。 また、今年はセルビア大使館の文化担当参事官、アレクサンドラ・コバチさんが参加して下さり、セルビアの文化についてお話をして下さいました。紛争があった国に対するイメージは、ともすれば「悲惨」が強調されるステレオタイプのものが先行しがちです。確かにそれも事実なのですが、でもそれだけではありません。「戦争」しか紹介することがない国などないのです。全ての国に誇るべき文化があり、どんな状況の中でもそれを乗り越えようとする気概を持った人たちがいること、それもACCが伝えたいことのひとつなのです。今回、コバチさんが紹介して下さったセルビアが生んだ世界的に有名な学者や文化人、そして風景、民族舞踊、郷土料理などを通して、邑智の皆さんはセルビアという国の全体像をより広く理解して下さったのではないかと思います。 そして何よりも、継続することによって育まれる両国の子どもたちのよりひらけた世界への展望、未来への希望を信じてこれからもこの活動を続けていきたいと思いました。 邑智中学校の生徒さん、先生方、そしてセルビア大使館のコバチさん、有難うございました。来年もまた、皆さんにオーラの報告が出来る日まで。
by hopeacc
| 2010-08-08 10:15
| ACCニュース
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