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2010年 09月 05日
アート芸術教育の名門校女子美術大学から、旧ユーゴ紛争やコソボ紛争により生まれ故郷を離れセルビア共和国に居住している難民女性に対する、ACCの心理社会支援プログラム「おばあさんの手」とのコラボレーションのお話を頂いたのは昨年のこと。アートに関わる学生たちの技術や関心領域を活かし、何か社会貢献をしていこうというコンセプトの活動であり、文部科学省の教育GPプログラム(※)にも組み込まれたものであるとのことでした。日本の若者たちとの協働は、「おばあさんの手」に参加する難民のおばあさん達にとっても、大きな励ましになるのではないかと、ACCもこの有難いお話を前向きに検討することにして、現地にこの活動への参加を打診したところ、大歓迎の返事が返ってきて活動が始まりました。 具体的な協働活動は以下の二つです。 ①ファッション造形科の学生たちのデザインしたものを、おばあさん達が作製を担当し製品化すること。 ②織りや染色を専攻する工芸科の学生たちの作品に、おばあさん達が刺繍を施すなどしてアート作品を創ること。 熱意溢れる学生たちは、まず旧ユーゴスラビアの歴史を知る勉強会から取り組み始め、「支援というよりも人間同士の関わり」というACCの活動理念のひとつをいち早く感じとってくれました。その結果として、女子美内のプログラムの名称から「支援」という言葉が消え、「糸がつなぐ日本とセルビア」というものになっていったのです。 海を越えセルビアに渡った学生の染色作品は、8月におばあさん達の手による刺繍などが施され日本に戻ってきました。これに学生たちが更に手を加えて、協働の作品が仕上がります。 製品は女子美祭(10月22~24日開催)やACCチャリティフェアなどでご紹介致します。またアート作品は女子美のギャラリーで年末に展示される予定です。 「おばあさん」と日本の女子大生が、アート・手仕事を媒介として共に創りだす作品は両者の温かい心の交流がこめられた素晴らしいものになると期待されます。いずれ、このHPでも紹介させて頂きますので、楽しみにお待ちください。 (ACC「おばあさんの手」プログラムは公益財団法人大阪コミュニティ財団の助成を頂いて実施されています) ※「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」とは、各種審議会からの提言等、社会的要請の強い政策課題に対応したテーマ設定を行い、各大学等から応募された取組の中から、特に優れた教育プロジェクト(取組)を選定し、財政支援を行うことで、高等教育の活性化が促進されることを目的とするもの。(文部科学省HPより)
by hopeacc
| 2010-09-05 08:25
| ACCニュース
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