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2011年 10月 05日
2001年5月に活動の第一歩を刻んだACCは、今年4月をもって満10周年をむかえ、今年度11年目の活動を実施しております。ACCはこれまで、ひとつの地域、ひとつの案件に長く関わることを大切にしてきました。クロアチアとセルビアでの心理社会支援を主軸に発足したACCですが、内戦からの復興がめざましくなったクロアチアの支援が2003年12月に一区切りを迎えた以外は、セルビアをはじめ、2004年から教育環境整備支援を実施しているカンボジア、スリランカ、また2003年に開始した平和学習をテーマとする日本国内の学校や養護施設における啓発活動、いずれもこれまで途切れることなく支援を継続してくることが出来ました。これもみな、ACCにあたたかいご理解とご協力をお寄せ下さる皆さまのご厚情の賜物と、スタッフ一同深く感謝申し上げます。
次々に起きる新たな紛争、飢餓、疫病、そして深刻な貧困問題など、世界には数えきれないほどの課題が山積しております。また、今年は私たちの国、日本も、国を揺るがすような大きな災害に見舞われました。こうした事態を前にして、この小さなNGOであるACCとして、また一個人として、一体私たちに何ができるのだろうと途方に暮れる思いになることもあります。そんな時に浮かんでくるのが、ACCがこれまで出会った人々です。 皺の深く刻まれたコソボ難民のおばあさんたちの凛とした姿、心理ワークショップで作った作品を楽しそうに、また誇らしげな表情で発表するセルビアの難民センターの子どもたち、はにかんだ笑顔で日本の子どもたちからの贈り物を受け取るカンボジアの子どもたちのやさしい瞳、そして真摯に勉強に取り組むスリランカの子どもたちの輝き。また、日本国内の平和学習で訪れた学校では、もっともっと知りたい、何が自分たちに出来るのと問いかけてくるような表情で私たちの話に耳を傾けてくれる生徒たちに出会いました。「面倒臭いなぁ」と口では言いながら、一生懸命にコソボ難民のおばあさんに絵手紙を描いてくれた養護施設の園生たちの思いにもふれました。そして今年の夏には、放射線被害の中で暮らす福島の子どもたちとの出会いがありました。彼らの内面の葛藤に心痛む思いを味わうと同時に、子どもたちが持つ強く明るいエネルギーに希望を見出したようにも思いました。 こうした人々や子どもたちの存在を思い浮かべる時、私たちは勇気や励ましが与えられるように思います。たしかに、私たちに出来る事は、問題の巨大さを思えば小さな「点」にすぎないかもしれません。しかし、その小さな「点」と心をこめて取り組み、ACCの仲間たちだけではなく、志を共有できる多くの人々と繋がっていくことに、私たちはこれからも希望をかけて活動していきたいと思います。そして、出会った人々や子どもたちの現実や彼らの気持ちを皆さまにお伝えし、皆さまからのあたたかいおこころを現地の人々に誠実にお届けしていけるよう、あらためて丁寧な活動を心がけて参りたいと思っております。 どうか今後とも、ACCの活動にご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 (ACC代表理事 松永 知恵子) Photo: Copyright by Marc Schneider
by hopeacc
| 2011-10-05 12:53
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