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2012年 06月 06日
「糸が結ぶセルビアと日本」。これが何の名前だか皆様お分かりになりますか? これは女子美術大学の学生たちによるサークルの名前です。元々は大学主導の教育プログラムとしてアートによる国際貢献を目標にして始まったプロジェクトでしたが、現在は学生たちが主体となってその運営にあたっています。そしてACCも彼女たちとセルビアで手工芸プログラム「おばあさんの手」に携わっている女性たちをつなぐ、橋渡し役を担っております。アートによる国際貢献というとちょっとイメージが湧き難いかもしれませんが、美大の学生ならではの感性を生かしたデザインの提案ですとか、展覧会での発表用の巨大な作品の共同制作など、一緒にものを作り上げていくことによる国際交流の側面が非常に色濃いかと思われます。またセルビアの女性たちにとっては、ACCだけではなく他の人たちが自分たちの技術を認めてくれたからこそ、このようなプロジェクトが始まったということで、非常に誇りに感じる部分もあるようです。
いささか前置きが長くなりましたが、先月のセルビアへの出張の際「おばあさんの手」の今年のACCのチャリティ・フェアなどで紹介する作品の依頼と、「糸むす(通称です)」の今年度のデザイン提案、共同制作作品の説明を目的として、事業開催地であるブルニャチカ・バニャへ行って参りました。ここに来ると毎回のことですが、コソボ出身の女性たちのパワーに圧倒されます。パワーといっても決して押し付けがましいものではなく、自分たちが代々受け継いできた技術に対する誇りと、それを大事にしていきたいという意地(セルビア語でinatと言います)が相俟ってのものです。この日女性たちが今年度の事業説明に真剣な目で聞き入っていた姿がまだ印象に残っています。 帰国したその日に、丁度ACC事務所で「糸むす」のメンバーの方々と会うことになっており、その時にこのような女性たちの態度についてお話させていただくことが出来ました。「女性たちは真剣な態度で聞き入っていた」ということを聞く学生たちの態度もまた真剣そのものでした。このプログラムは現在進行形で進行中のものですが、それに真摯に臨む中からきっとより良いあり方が見えてくるのではないかと思います。 今年の作品の一部は年末のチャリティフェア、または女子美術大学の学園祭にて展示予定です。日程等は決まり次第お伝えしていきますが、セルビアの女性たちの伝統技術と、日本の若きクリエイターたちの感性をぜひとも直にご覧になっていただければ幸いです。
by hopeacc
| 2012-06-06 07:43
| ACCニュース
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