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2014年 07月 16日
ACCがカンボジアでの教育支援活動に取り組んで12年、「ともだち未来便」配布で現地を訪問するたびに、教育行政の関係者からは「学校建設」への要望が寄せられてきました。パートナーNGOの COF(Charitable Organization of Father Goto Fumio)は1996年から学校建設事業に取り組み、これまでに18の小学校建設をしてきた実績がありますから、そうした期待をすることは理解できます。しかしACC規模のNGOにはあまりにも大きすぎるプロジェクト、慎重にならざるを得ませんでした。しかしカンボジアの僻地の現状を目の当たりにして、その気持ちに変化がでてきました。3年前ACCメンバーで話し合い、5年後2015年度を目途に学校建設に挑戦しようということになりました。
COFからは、「学校建設といっても、学校が全くない場所に建設する場合、事前に村民と協議を重ねてから建てたとしても、その後干ばつや水害などのために、村を棄てて移住してしまう場合もあり、リスクが高い」「内戦終結直後に国際機関やNGOによって建設された校舎が、カンボジアの厳しい気候条件の影響もあって、20年を経ずして廃屋化してしまっている。そこで学んでいる子どもたちの教室がなくなってしまうことは大きな問題である」といった情報が伝えられ、子どもたちが安全に安心して学ぶことのできるACCともだちスクールは、老朽化した校舎の建替という形で建設することこそ、現地のニーズに沿ったものであることがわかりました。 COFには、「新しい校舎を建設して欲しい」という要望が山のように寄せられています。その中からブンラー氏が選んだいくつかの学校を、昨年から視察してきました。どの学校も厳しい事情を抱えていて、その中からどこにACCともだちスクールを建設するかを決めるのは本当に難しいことでした。 バッタンバン州バナン郡のコントゥピィ小学校は、近隣の7つの村から635名の子どもたちが通学してきている(遠い村からは徒歩で30~40分)比較的大規模な学校です。隣接地には中学校と高校もあります。カンボジアでは中学校までが義務教育ですが、僻地では徒歩通学可能な圏内に中学校がないために、中学に進学できない子どもたちが少なくありません。そういった意味ではこの学校の教育環境は恵まれているといえます。 但し、内戦終結直後に建設された校舎の現況は悲惨でした。1994年に建設された木造校舎は完全に廃屋化、安全性の問題から校舎としての使用はできなくなっていました。1997年建造の木造校舎は、梁を継ぎ足すなどの応急処置で、かろうじて崩壊を免れてはいますが、この校舎が使用不能となってしまうと、635人の子どもたちが学ぶことのできる教室は、21世紀に入ってから建てられた3教室だけになってしまいます。現在カンボジアの小学校は二部制(午前と午後)ですが、3つの教室でこれだけの大人数が学ぶことは不可能です。 子どもたちが教室で使用しているのは、学校の備品である小さな黒板や白板でした。子どもたちの親は、ノートを買うこともままならないほど貧しい農家なのです。 ACCは、2016年3月の完成を目指し、このコントゥピィ小学校の子どもたちが、安全に安心して学ぶことのできるACCともだちスクール建設に取り組むことを決意しました。 完成後は、日本の小中学校との交流プロジェクト「風の船」のカンボジア国内の拠点として、長くかかわり続けていきたいと考えています。 こうした夢に胸をふくらましつつ、本当に安全に安心して学ぶことのできる堅牢強固な校舎の建設にはおよそ500万円という莫大な費用がかかる現実に直面しています。鉄骨、砂、木材、その他の建築資材の質を問わなければ300万円で校舎を建てることは可能ですが、築後10年を経ずして土台や躯体に問題を生じ、補修をしても20年足らずで建て替えを検討しなければならないようなことは避けなければなりません。今回の視察ではそうした校舎を実際に目にしてきました。 50年後もカンボジアの子どもたちが楽しく安全に学べるACCともだちスクールを造るための資金調達には、多くの皆様のご支援が必要です。 ACCともだちスクールの建設にご支援、ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 ご協力の方法はこちらをご覧ください。
by hopeacc
| 2014-07-16 15:22
| ACCニュース
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