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2015年 03月 06日
3月2日、3年目となる「トゥ先生の手仕事教室」の様子をモニタリングしてきました。例年は、ACCスタッフ訪問の折、バッタンバン市内の教室にドントラン村の生徒たちに来てもらっていましたが、今年は直接ドントラン村に出向いて、村の様子も含めたモニタリングを行いました。
バッタンバン教室は大きく様変わりしていました。というのも9月にこの地方を襲った水害によって、それまで使用していた東屋の2階部分の教室が使用できなくなったために、隣家の一室を教室兼作業場として使うことになっていたのです。以前よりも陽当りが良く明るくなった教室の中には、本年度JICS(日本国際協力システム)のNGO支援金で購入ができた2台のミシンが置かれていました。 ここではトゥ先生自身の作品研究作業も行われており、先生は棚からご自分が作られた作品を取り出して見せてくれました。それは昨年秋に、やはりJICSの支援金で買うことのできた日本製の「編み図とレース糸セット」が、素晴らしい作品として完成したものでした。日本のこうした参考書は世界的にトップレベルの評価を受けているものであり、それを現地に提供したことで、質の高い作品が完成していたことは、私たちにとって嬉しいことでした。 ドントラン村はバッタンバン市内から車で約30分行ったところにある、貧しい農村地帯でした。トタン板造りの家が目立ち、どの家の庭にも大きな水瓶がいくつか置かれていて、生活の厳しさが感じられます。 この村では、生徒の家の何軒かを、持ち回りで教室として利用しているとのことでした。 私たちはそのうちの一軒を訪ねました。そこには、JICSの支援で購入したミシンが3台置かれていましたが、生徒が作った小さなトートバックが、板の上にありました。生徒たちが、この教室で手仕事を学ぶことを、心から楽しみにしていることが感じられました。 先生の熱心な指導にもかかわらず、生徒たちの技術力の進歩には差があるようです。またようやく技術的に高いものができるようになった年長の生徒が、家庭の経済的な事情で隣国のタイへの出稼ぎを余儀なくされ、後ろ髪を惹かれる思いで教室を去っていくケースもあとをたちません。 それでも、この教室の存在が15名の生徒たち一人ひとり、またトゥ先生自身の成長に役立っていることは確かです。それを見届けることができた今回の訪問は意義深いものとなりました。 生徒たちとその幼い兄弟姉妹に、日本の踊りを見せたあと、舞扇を使って一緒に遊びました。難しい技を真似する子どもたちは、新しいことへのチャレンジを心から楽しんでいました。このチャレンジ精神があるのですから、今後の生徒たちは着実に進歩してくれるのではないか・・・そんな期待を胸に、ドントラン村を後にしました。
by hopeacc
| 2015-03-06 10:27
| ACCニュース
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