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2015年 03月 07日
「ACCともだちスクール」の建設が決まったバッタンバン州オードンボンピィ小学校を、「ともだち未来便」配布のためにカンボジア出張中のACCスタッフが、3月3日に訪れました。
昨年の視察の折にあった穴だらけの校舎は既に取り壊されていましたが、建設工事はまだ始まっていませんでした。理由は「地雷検査」がされていないからです。 1980年代カンボジアでは内戦が続いていました。ポル・ポト派が劣勢となりより奥地へと退却していくことで、戦闘地域を外れた土地に徐々に人々が住み始め、村ができました。そして1975年(ポル・ポト政権ができた年)以降途絶えていた学校教育を再開すべく、村人たちは1986年に木造の旧校舎を建てました。 バッタンバン州はカンボジアの中でも有数の地雷埋設地帯です。1992年に設立されたCMAC(Cambodian Mine Action Center)の尽力により、20年余の間に、カンボジア国土の約三分の一の土地(カンボジア総面積181,000km2 の内2013年までに約570 km2の土地の検査が終了)の安全が確保されました。地雷原の探査と地雷撤去作業は今も続いています。 オードンボンピィ小学校の旧校舎跡地では、確かにこれまで地雷による事故は起きていませんが、それがすべての種類の地雷が全くない、安全な土地であるという証明にはなりません。 150kg以上の負荷で爆発する対戦車地雷は、1980年代ポル・ポト派が政権を失ってからのゲリラ戦で多用していました。それが、もしも旧校舎の跡地にまだ残っていたとしたら、ショベルカーでの整地作業中に爆発して大きな事故となる可能性があります。その危険を避けるため、COF (Charitable Organization of Father Goto Fumio:ACCの現地パートナーNGO)はCMACに、校舎建設予定地の「地雷検査」を依頼していますが、現在CMACは遠方での作業を行っているため、オードンボンピィ小学校での検査に着手するまでに、まだ数週間を要する見込みとのことでした。 さて、校舎がなくなってしまった子どもたちは、いったいどうしているのでしょうか。校庭の大きな樹の下に並べられた机・椅子・黒板。子どもたちは青空の下で元気に勉強していました。でも雨季になったら、授業どころではなくなりそうです。 カンボジアに雨季が訪れるのは5月下旬、一日も早くCMACによる「地雷検査」が完了し、校舎建設に着工できることを、COF、ACC、そして誰よりもオードンボンピィ小学校の先生と子どもたちは願っています。 完成は工事着工から約半年後の予定です。
by hopeacc
| 2015-03-07 10:14
| ACCニュース
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