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2015年 10月 09日
10月7日(水)、島根県邑智郡美郷町町立邑智中学校で「人権問題学習」の特別授業を、行いました。会場となった浜原隣保館の多目的ホールに集まったのは、同校の一年生22名と教員や隣保館の職員、教育委員会関係者など大人10名。ACCからは山本(教育担当)と高橋(カンボジア担当)が参加しました。
隣保館廊下の壁には昨年ACCが行ったセルビアについての特別授業の様子が、壁新聞の形で報告されていました。 今回の特別授業は、「カンボジア」がテーマです。生徒たちは「今日は一体はどんな話が聞けるのか」と興味津々な表情を浮かべながら席に着きました。男子生徒の中には、まだ小学生の面影を残している者もいて、全員穏やかな表情を浮かべていました。 授業はカンボジアの現状と歴史についての簡単なレクチャーから始まりました。そしてプロジェクターで写真を見せながら、ACCともだちスクール建設が内戦時代の教育制度崩壊に起因していること、地雷問題が続いていること、学校建設を現地で指揮しているパートナーNGO代表メアス・ブンラ氏が、ポル・ポト政権下ちょうど生徒たちと同年代の頃に体験した過酷な状況などを話しました。 続くワークショップでは、今春カンボジアで実施した「手のひらのミニワークショップ」の作品を一人一人に配り、そこに生徒たちの手のひらを重ね合わせてもらいました。すると、急に「カンボジア」という国を身近に感じたのか、今まで静かに話を聞いていた生徒たちから、歓声が上がりました。次に、色画用紙に自分たちの手のひらを模り出すと、生徒たちはその作業が楽しいらしく、友だちと語らいながら手を進めていきました。手のひらの形がこれでいいのかと気にかけていたり、得意げに友だちに見せていたり、ワークショップ時の生徒たちの反応は大きかったように感じられます。手のひらの中に、自分の名前と将来について書いてもらいました。将来看護師になりたい、介護士になりたいと、具体的な職業を書いている生徒もいれば、明るく生きていきたいといった人生感を書いている生徒もいます。でも皆それぞれの気持ちを素直に表しているように思いました。自分たちのワークショップ作品が来年春カンボジアの子どもたちに届けられる事を説明すると、生徒たちのワクワク感はさらに高まりました。 生徒代表からのお礼の挨拶の中で、「地雷の存在を初めて知る事が出来ました」という言葉がありました。カンボジア、そしてセルビアについて生徒たちが知らなかったことを伝えることで、何かを感じ、考えてくれることが、私たちACCがこの特別授業を続けている意義の一つなのでしょう。何より生徒たちが、「カンボジア」を身近な国としてとらえてくれたことを嬉しく思いました。そして初めて美郷町を訪れた私たちにとっても、この特別授業での体験は大きな意味を持つものとなりました。 今回の授業実施にあたりお世話になりました、邑智中学校の校長、教頭先生を始めとする諸先生方、また浜原隣保館と教育委員会関係者の皆様に、心より御礼を申し上げます。
by hopeacc
| 2015-10-09 09:18
| ACCニュース
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