|
1 2012年 01月 19日
2011年12月24日~28日に長野県諏訪郡富士見町で開催されたmiraiキャンプ(主催:miraiキャンプ実行委員会)にACCは協力団体として参加しました。
miraiキャンプは千葉大学教育学部大学院生のボランティアの方々を中心として企画・運営された、「福島と千葉のmiraiを担う子ども達が新しい人間関係や様々なワークショップ・レクリエーションを経験する過程で、自分・地域・出会った仲間達とのこれからの生き方についての意識を高めていく」ためのキャンプでした。対象は福島県と千葉県に住む小学3年生~6年生の児童で、参加人数は福島から8名、千葉から12名の合計20名でした。ACCスタッフ2名は12月25日~26日までmiraiキャンプに参加し、26日に「言の葉のワークショップ~遠くはなれた人たちに私たちができること~」を実施しました。その時の様子をご報告いたします。 ワークショップ前半では、旧ユーゴスラヴィアで起きた民族紛争とACCが支援しているセルビア共和国のカルジェリッツア難民センターに住む子どもたちの様子をパワーポントのスライドを用いて、福島と千葉の子どもたちに説明しました。「なぜACCは難民の子ども達を支援しているのでしょうか?」とACCスタッフが問いかけると、すぐに福島から参加した男の子が手を上げて「子どもがこれからの社会を作っていくから」という意見を出してくれました。そして、遠く離れた国に住む難民の人々が求めているものは何か、それを踏まえた上で、日本に住む私たちができることは何かを子ども達と一緒に考え、実際に難民センターに住む人々にメッセージを送ることになりました。 ![]() ワークショップ後半では、大きな模造紙に描いた葉っぱのない木に、カルジェリッツァ難民センターの人々への思いを込めた「言の葉」を生やすため、木の葉型の色画用紙に思い思いの絵やメッセージを子ども達に描いてもらいました。ワークショップの前半で熱心に質問に答えてくれていた千葉の女の子は、真剣に考えるあまり筆が進まず、「あと3分です」というスタッフからの声かけを聞き、急いで次のメッセージを書いてくれました。 「ぼくらでおとなを元気にしよう」 また、ワークショップ前半で静かに他の子ども達の発言を聞いていた福島の女の子は、次のメッセージを書いてくれました。 「難民センターのみなさんへ わたしはmiraiキャンプでみなさんのことを知りました。日本はとても平和です。でも3月11日に大震災がありました。わたしは福島にすんでいるので、ひがいが多かったけれど、みんなでたすけ合って立ち直りました。だからみなさんも私たちと一緒にがんばりましょう!笑顔で過ごせばきっと大丈夫!!未来を信じて 応援してます」 子どもちは皆、心のこもったメッセージを言の葉に託してくれました。そして、ひとりひとりの手で完成した言の葉を模造紙に描かれた木に貼りました。ワークショップの最後は、全員で言の葉が生えた木を囲むように手を繋いで輪になり、一つの言葉を一斉に声に出して叫びました。 「届け!」 ![]() ![]() 福島と千葉の子ども達、学生ボランティアの皆さんの思いが込められた「言の葉の木」は2月にセルビア共和国のカルジェリッツァ難民センターにACCスタッフの手で届ける予定です。現地での様子は、またフィードバックとしてmiraiキャンプに参加した皆さんにお届けします。ワークショップ実施の機会を与えて下さいましたmiraiキャンプ実行委員会の皆様に心から御礼申し上げます。 miraiキャンプ公式ホームページ http://www.geocities.jp/miraicamp2011/ ![]() ▲
by hopeacc
| 2012-01-19 23:47
| ACCニュース
2012年 01月 19日
1月16日、ACCスタッフ3名と「糸が結ぶセルビアと日本」プロジェクトに参加している女子美術大学の学生2名で福島学院大学附属幼稚園を訪問し、「ともだち未来便in福島」を実施しました。
ACCでは、2003年度から教育環境の厳しいカンボジア僻地の小学生に、日本の子どもたちのプレゼントとメッセージを、協力者の方々による手作りの布袋に詰め「ともだち未来便」として届けてきました。東日本大震災とその後の原発事故を受け、「東北の子どもたちにも『ともだち未来便』を届けて欲しい」という、これまで「ともだち未来便」に協力して下さってきた方々の強い思い、また震災後にACCに届いた、コソボ難民のおばあさんや子どもたちからのお見舞いの言葉から、新しい企画「ともだち未来便in福島」が生まれました。 福島の子どもたちへの思いの込められた、「おばあさんの手」プログラムに参加しているコソボ難民のおばあさんたちが制作した手編みのマフラーは、国内の協力者手作りの巾着袋の中に、セルビア在住の難民児童のメッセージなどと共に詰められ、福島学院大学附属幼稚園の園児145名の手に届けられました。その折の様子をお伝え致します。 園児全員が遊戯室に集まり、年長組園児による歓迎の挨拶の後、先生方が事前に準備された日本地図と世界地図で、セルビア共和国と日本の位置関係が園児たちに説明されると、いよいよ「おばあさんとあみもの」というタイトルの紙芝居の上演です。ACCスタッフの作品「おばあさんとあみもの」は、今回プレゼントされるマフラーを作ったセルビア人のおばあさんが難民になってしまった経緯、そして、伝統的な編物をすることや日本の子どもたちと繋がることが、戦争で故郷を追われてしまった彼女たちの孤独や悲しみを癒すために非常に大切であるということを、できるだけ判りやすく説明しようとの意図で作られました。紙芝居の上演中園児たちは、時々発せられるACCスタッフの質問(「戦争って何かな」「おばあさんはどんな気持ちかな」など)に答えながら、真剣に目を輝かせて話を聞いてくれました。上演後「少し悲しかったけど面白かったよ」という感想を寄せる園児の言葉に、私たちの思いが伝わっていることを実感しました。 ![]() ![]() 全体会終了後各教室に移動し、園児の一人一人に「ともだち未来便」が手渡されました。ワクワクしながら中身をとりだし、マフラーやぬいぐるみの手触りを楽しんだ後で、マフラーを作ってくれた難民のおばあさんたちに子どもたちの思いを伝えるため、園児たちにプレゼントを貰った時の気持ちを描いてもらいました。年少・年中クラスの園児たちは、プレゼントを貰った嬉しさを虹やハート、笑っている顔など、色とりどりのクレヨンで表現してくれました。年長児の多くは文字と絵で感謝の気持ちを表してくれました。「マフラーふわふわできもちかった。ありがとう」「プレゼントだいじにするよ」「げんきでいてね」など、かわいらしい真っすぐな気持ちが、木の葉型の色画用紙に描かれていきました。 ![]() ![]() 園児たちとの交流プログラム終了後に、園長先生と副園長先生から大震災後の幼稚園の様子を伺う機会を持たせていただきました。お話を伺うまで、私たちが接した園児たちの印象は、ごく普通の幼稚園の元気で明るい子どもたちと何ら変わるところはありませんでした。しかし、大震災後から現在に至るまでの先生方の様々な経験談をお聞きするうちに、あの3月11日から現在に至る、子どもたち、保護者の方々、先生方の大変な体験が、私たちの心の中に強く突き刺さってきました。 2011年3月14日、急遽中止となった卒園式の代わりに、先生方が卒園児の家庭一軒一軒を訪問し、玄関先で卒園証書を渡す卒園式をしたこと。原発事故直後に、ホームセンターで安全な砂を大量購入して室内に子どもたちが安心して遊べる砂場を作ったこと。外遊び中心だった保育方針をゼロから立て直したこと。連日余震が続く中、不安と恐怖で表情を失った園児たちが、砂遊びを通じ徐々に元気を取り戻していったこと。教諭たちが休日返上で懸命に除染作業をし、その様子や放射線測定値の詳細を保護者の方々に毎日A4のレポートにまとめて報告していること。子どもたちの健康を守るため生活全般に気を遣っているお母さん方に「大変ですね。お疲れ様です」と先生がねぎらいの言葉をかけると、「そんな言葉をかけてもらったのは初めてです」と泣き出す保護者がいたこと・・・先生方が語られる様々な体験談から、テレビや新聞では知ることのできない、福島で生きる方々のご苦労が拝察されました。 東京に暮らす私たちは、そうした先生方のお話を聞きながら、ただただ涙をこらえて「本当に大変でしたね。お疲れ様です」としか言うことしかできませんでした。それをうけ「子どもたちのために、やるべきことを当たり前にやっているだけです。子どもたちの成長が何よりの励みですから」と語られた先生は、少し目頭を押さえておられました。 福島学院大学附属幼稚園の園児達が一所懸命描いてくれた「言の葉」は、2月にはマフラーを作ったセルビアのおばあさんの許に、ACCスタッフの手によって届けられ、それを受け取ったおばあさん達の様子は、年長組園児の卒園式前にフィードバックされる予定です。 この度の「ともだち未来便in福島」の実施にあたり、ご協力頂きましたすべての皆様に心から御礼申し上げます。 ▲
by hopeacc
| 2012-01-19 22:29
| ACCニュース
1 |
ファン申請 |
||